第六回団交

2010127日、東京都社会福祉事業団(以下事業団)との第六回目の団体交渉が開かれました。今回のポイントは大きく二つ。ひとつめは昨年事業団が東京都の保健福祉局に要求した「機能強化型施設への予算配置」の結果について。それを受けての「今後の事業団の対応」についてがふたつめ。

 

■まずひとつめの機能強化型施設の予算配置について、以下のような返答でした。

「財務局からレベルアップは認められないからと却下された。

その理由については、事業団にははっきりと伝えられてはいないが、

事業団としては都の予算が縮小されていることが理由と察している。

ただし機能強化型施設の必要性は局としては認めており、

民間への予算は下りている」

 

民間への予算は下りているのに、民間よりもずっと深刻な状態の児童を受け入れている事業団施設への予算は下りないのはおかしい。保健福祉局や東京都にさらなる交渉をしたのかと問うと、

「事業団が直接話をできるのは、保健福祉局まで。

 保健福祉局にはおかしいじゃないかと伝えたが、

 その後の東京都とのやりとりまではわからない。」

と、ヒトゴトと考えているとしか思えない返答が返ってきました。

 

事業団としての今回の予算についての見解と今後の対応は、

「施設の職員と子供たちには申し訳なかったと思っている。

 今後はもっと現場の声を吸い上げたうえで、

 保健福祉局や東京都と話をしていく。」

とは言うものの、そもそも今回の予算要求ではまったくこういった「現場の声を伝える努力」をしなかった。ということが問題です。昨年の予算要求のタイミングよりもずっと前から、私たち臨床心理士ユニオンは予算要求のために現場の声やリポートや前例が必要ならば協力する旨は再三伝えてきましたが、事業団からの反応はありませんでした。これでは予算を通すことが「できなかった」のではなく「怠った」と、思わざるを得ません。

 

■さらに、ふたつめの「今後の事業団の対応」は、

「予算が下りず、2009年度の予算と同じとなった。

 よって施設職員の待遇は改善しない。

 交通費が400円でアタマ打ちのため自腹を切って働いている現状も、

 心理職・職員の数が不足している現状も、

 満足に暮らせない賃金も、

 不安定な非正規雇用のまま責任の重い仕事をしなければならないことも、

 すべて改善できない。」

というものでした。

 

これは、私たち臨床心理士ユニオンが約1年間にわたって要求してきたことに対しての『ゼロ回答』そのものであり、到底認めることのできない内容です。

 

ユニオンメンバーからは

「今の雇用状態が続くことは、職員の定着化がはかれず、

子どもの心のケアがスムースにいかない。

子どもの声をもっと聞いてあげてほしい。」

 

「現場職員の声も重要だけれど、もっと重要なのは子どもたちの声。

 『スムースな施設運営』といったとき職員にとってのスムースと、

子どもにとってのスムースは違う。」

 

「事業団職員は交通費が満額出ているのに、現場の職員は、

自腹を切って交通費を出している。同じ施設運営に携わりながら

この格差をおかしいと思わないのか。」

 

「以前、都から管理職として一人むかえるための天下り予算はとれたのに、

 交通費のための予算をとれないのはおかしいのでは」

 

「事業団は福祉職常勤化の要求はしているのに、

 ほかの職種(心理職も含め)については要求していない。

 心理職や現場職員のことを軽視しているのではないか?」

 

などの声が上がりました。

 

これまで私たちは、同じ施設を運営する立場として

協力しあえるところがあるかもしれない・・・と思いながら

東京都社会福祉事業団との話し合いを重ねてきました。

でも、今後はその認識では何も解決できないのかもしれない。

事業団を飛び越えて、東京都とやりとりするほうが早いのかもしれない。

また、このような運営しかできない「社会福祉」従事者が、

公務員をやっていることの是非を、一労働者として、また一納税者としても、

もっと世の中に訴え、問いただしていく必要があるかもしれない。

そんな思いを抱かざるを得ない第六回団交となりました。