第二回団交

2回目の団交を開いたのは、4月24日。

この日は、冒頭から事業団の驚くべき発言ではじまりました。それは、

前回の第1回団交について私たちが内容を報告した当ブログの記事を

「一方的に載せたことを抗議し、削除を求める」というものです。

労働組合が団体交渉の内容をブログを含めたホームページ、

機関紙、ビラなどを通して知らせるのは当たり前のことです。

隠す理由はどこにもありません。事業団側は何を恐れているのでしょうか。

 

そして本題の心理職の賃金・待遇の改善については

「国の単価や他団体との均衡を踏まえたものと認識している」

として応じない姿勢を見せました。
国の単価を低処遇の理由に持ち出すこと自体が、

独立した事業体である事業団の存在意義を疑わせるものですし、

他団体(東京都など)の心理職と比べても事業団の処遇が低いのは明らかなこと・・・。

 

また客観的に見たとき、手取り13万の給料は、本当に「均衡を踏まえた」処遇でしょうか。

今の日本で暮らしている人なら誰でもわかることですが、

これは文字通りのワーキングプアです。

安定した暮らしを営むことはできません。

ましてや家族を養うだけの生活費にはとうてい届かない。

 

ここで生活費というものについて少し詳しく説明しましょう。

あなたがもし東京都に住む30代男性で同年齢の配偶者がいたとします。

格安の物件を見つけて住居費を8万円におさえた場合でも、

最低生活費は12万9420円。

さらに4歳の子供がいた場合は、16万2,170円と定められており、

よって、これを下回る賃金の場合、生活保護費が支給されます。

くりかえしますが私たちの手取りは13万円です。

非正規雇用ですから一生、この賃金のままです。

何年たっても、10年たっても、家族が増えても、手取りは13万円。

この賃金を受け入れろということは、

最低限レベルの生活を受け入れろというのと同じです。

専門職としてはもちろん、一人の人間として、

受け入れるわけにはいかない額なのです。

 

 

心理職の臨時職員の交通費が400円で頭打ちになっている問題も、

事業団側は前回「実態を調査し、現状との間に格差がある場合には

それを是正する方向で検討する」という確認書を交わしておきながら、

「今年度については現行どおり。実態調査はやっていない。

どうするかは今後検討していく」と述べるなど不誠実な対応でした。

 

「遅番」勤務の長時間化(6時間→8時間)の問題については、

「雇用更新申込書の提出があったから合意したということだ」

として「決着済み」という回答でした。

ただでさえ安い賃金で、さらに長時間化になっても1円も賃金に

反映されない不利益変更をだれが好きこのんで合意するというのでしょうか。

申込書を提出しないと退職という瀬戸際に立ち、

ケアを必要としている子どもたちを置いて施設を去るわけにはいかない

というギリギリの思いでそれぞれが提出せざるをえなかっただけです。

あくまで異議を留保しながらの契約更新だったのです。

こうした実態をまったく見ようとしない事業団のやり方は許されません。

 

ユニオンが要求している組合掲示板の設置などについても、

別の労組には供与しているにもかかわらず

「信頼関係がない」という理由で断ってきました。

でも、従業員である私たちの生活を顧みることもせず、

話し合いも持たずに不利益変更ばかりを繰り返す

雇い主との間に、どうやって信頼関係を築けるというのでしょうか。

そもそも信頼関係を築くべきと考えているのなら、

これまでも、そして今現在も、

もう少しまともに「話し合う」姿勢を見せてほしい、と思うのです。

 

今回の団交は、事業団の回答そのものはもちろん、

「態度」にも悲しくなるような内容でした。

こちらが何を尋ねても、何を訴えても、

こちらを見ずに「私たちでは判断できない」と、

原稿らしきものを棒読みするだけ

 よくワイドショーなどで、

追及を逃れるために原稿棒読みを繰り返す政治家がいますよね?

あんな感じです。

判断できない人たちが施設を管理していること自体がおかしいし、

判断できない人たちが団交の場に出てくることもおかしい。

それでは何度団交をやっても意味がないのは

子どもでもわかることではないでしょうか。

 

ユニオンのメンバーは皆、週休二日も確保できないような状態の

ワーキングプアです。時間がない中無理矢理時間をつくって、

電車で数時間かけて、団交の場に行くのです。

今回のような不毛なやり取りは、もう絶対にしたくない。

心からそう思った団交2回目でした。


 なお、団交一回目にこちらから提示した要求書に対する回答は以下の通りです。

※事業団の回答はオレンジ字部分

 

1.児童養護施設で希望する心理職は常勤化にすること。

⇒児童養護施設における心理職は、指定管理機関の平成23年度までは

  契約社員を配置することとしており、来年度に向けて契約社員の確保に努めていく。

  常勤化については今後の検討課題である。

2.児童養護施設心理職の賃金・待遇について正職員との格差を是正すること。

⇒児童養護施設の心理職非常勤職員の報酬については、施設の性格からして、

 国の単価や他団体との均衡を踏まえたものと認識しており、 

 今後も同様な考えで設定していく。
3.児童養護施設心理職の「遅番勤務」の労働時間・賃金について組合との

  団体交渉で協議決定すること。

⇒平成21年3月30日付け回答のとおり、児童養護施設心理職非常勤職員の

 労働時間・賃金については既に決着していると認識している。
4.児童養護施設心理職の臨時職員の交通費を実費で支払うこと。

⇒児童養護施設心理職の臨時職員の交通費については、今年度については、

 現行どおりとする。なお、今後、国や他団体の動向を踏まえて検討していく。
5.就業規則、賃金規定、退職金規程について労使協議し作成すること。

⇒児童養護施設心理職の臨時職員のうち、貴組合員に関わる今後の労働条件の

 変更については、貴組合員に対し協議していく。

6.今後、労働条件の変更については、組合との団体交渉で協議決定すること。

⇒児童養護施設心理職の臨時職員のうち、貴組合員に関わる今後の労働条件の

 変更については、貴組合員に対し協議していく。
7.健全で良好な労使関係を作るため、日本国憲法、労働基準法、

労働組合法などにもとづいて労使ともに努力すること。

⇒健康で良好な労使関係を作るため、法令に基づき努力していく。
8.組合事務所および組合掲示板の設置、施設の利用、コピー機、ファックス、

パソコンの利用、電話の取り次ぎなどを認めること。

⇒組合事務所および組合掲示板の設置、施設の利用、コピー機、ファックス、

 パソコンの利用、電話の取次ぎは認められない。